【理科×雑学】鏡の中の自分は左右逆？上下は逆じゃない理由
こんにちは。福長塾の久保田です。
鏡をのぞいたときに、「あれ、自分の顔が左右逆に見える…」と不思議に思ったことはありませんか？
たとえば、右手を挙げると鏡の中では左手を挙げているように見える。
でも、上下はそのまま。ジャンプすれば上に跳ねるし、しゃがめば下に映ります。
「なぜ上下は逆にならないの？」「どうして左右だけが入れ替わるように見えるの？」
これは多くの人が抱える素朴な疑問ですが、実は理科の“光の反射”のルールと、人間の“思い込み”が組み合わさった結果なんです。
この記事では、そんな鏡の不思議について、わかりやすく解説していきます！
目次
鏡が“左右を逆にする”わけじゃなかった！
① 鏡に映るのは「光が反射した方向」そのまま
まず、鏡に映るということはどういうことでしょうか？
鏡に顔を向けると、自分の顔に当たった光が鏡でまっすぐ反射して、その光が目に届いているというだけ。
つまり、鏡は“反射しているだけ”で、「画像を反転している」わけではありません。
人間の目は、光がどこから来たかを無意識に“さかのぼって”考えるため、鏡の奥にもう1人の自分がいるかのように錯覚するのです。
② 左右が逆に見えるのは、私たちの「頭の中の変換ミス」
ではなぜ左右が逆に見えるのか？
その理由は、私たちが自分自身を「回転させたつもりで」見ているからなんです。
たとえば、あなたの正面に誰かが立っていて、その人と“向かい合って”手を挙げるとき。
あなたが右手を挙げたら、相手は左手を挙げているように見えますよね。
このとき、あなたは「相手＝自分を正面から見た姿」と認識していて、左右を入れ替えて考えているのです。
鏡は何も変えていないのに、「自分が反転されたように」錯覚する──
これが、「左右が逆に見える」最大の理由です。
つまり…
鏡が左右を反転しているわけではない。私たちが“自分を反転して見ている”のです。
③ 上下が逆に見えないのはなぜ？
鏡に映るとき、上下が逆に見えないのはなぜでしょう？
これも「上下を反転して見る」という習慣がないからです。
私たちは、自分の上下をひっくり返して考えることはしません。
そのため、鏡に映ったときにも“上下を反転しよう”という脳内変換が起こらないのです。
たとえば、あなたが前転（前にくるっと一回転）して地面に立ったら、鏡の中の自分も上下逆に見えるでしょうか？
答えはいいえ。
鏡はあくまで「前後の向き（奥行き）」だけを反転しているだけで、上下には何の変化もありません。
④ 本当は「左右」ではなく「前後」が反転している！
理科的にいうと、鏡は左右反転ではなく、実は“前後反転”をしているのです。
あなたの鼻先が鏡に1cm近づいていると、鏡の中の鼻も1cm奥にあるように見えますよね？
これは、「あなたの身体が前から後ろへ反転されている」ということ。
でも私たちは、鏡の中の自分を“正面から見たもう1人の自分”として無意識に認識してしまうので、前後反転が左右反転に見えてしまうのです。
理科の世界は、身近なところにある！
「鏡の中の自分はなぜ左右逆に見えるの？」という疑問は、小学生から大人までが抱える“理科の入り口”のような存在です。
でも、こうして少しずつしくみを知っていくと、
「鏡は何もしていない。ただ光を反射しているだけ」
というシンプルな答えにたどりつきます。
このように、理科は日常の中の“あたりまえ”を深く掘ることから始まるのです。
鏡、光、錯覚、反射…。すべてがつながって、新しい見方ができるようになる。
福長塾では、こうした日常の不思議をきっかけに、理科を「暗記科目」ではなく「探究の教科」として伝えています。