【数学×雑学】地球が丸いことはどうやって証明された?
〜古代ギリシャと円周率の数学的挑戦〜
「地球が丸いなんて、誰でも知ってる」
そう思うのは当然かもしれません。
でも、望遠鏡も衛星もなかった紀元前の時代に、それを数学で証明しようとした人がいたことをご存じですか?
しかもその方法は、たった1本の棒と太陽の影。
今回は、数学史上の偉人エラトステネスによる、知的で大胆な“地球の測り方”をご紹介します。
目次
約2300年前に地球は丸いことがわかった!?
紀元前3世紀、古代ギリシャの学者エラトステネスは、当時世界最大の図書館を擁していたアレクサンドリアの館長でした。
彼はあるとき、エジプト南部の都市シエネ(現在のアスワン)で、夏至の日の正午に太陽が真上にくるという情報を得ます。
その日、井戸の底まで太陽の光が届く──つまり、「影ができない」という現象です。
一方、彼がいたアレクサンドリアでは、同じ時間に棒を立てるとしっかりと影ができる。
「なぜ同じ太陽の下で、影ができる場所とできない場所があるのか?」
この疑問が、地球の大きさを測る壮大な挑戦の始まりでした。
数学で「地球の円周」を導くという発想
エラトステネスはこう考えました:
地球が平らなら、同じ時間に同じ方向から太陽の光が当たるはず。
でも、場所によって影の角度が違うということは、地球が曲がっている証拠だ!
ならば、その曲がり具合(角度)と距離がわかれば、地球全体の大きさも計算できるはず!
彼が測ったアレクサンドリアでの影の角度は、約7.2度。
これは、円360度のうちの1/50です。
さらに、アレクサンドリアとシエネの距離を約5,000スタディア(およそ800km)と見積もっていました。
ということは……
800km×50=40,000km
そう、地球の円周=約40,000kmという結論に至ったのです。
驚くべき精度と洞察力
現代の科学で測った地球の赤道周囲は、約40,075km。
なんと、誤差はわずか1〜2%程度だそうです!
望遠鏡もGPSもない紀元前の時代に、影と角度と比例だけでここまで精度の高い値を導き出した彼のセンスは、まさに数学的天才のひらめきです。
このエピソードには、数学好きがワクワクする要素がたくさん詰まっています。
学校で習うことはどんなふうに使われている?
比例 :7.2度が360度の1/50という発想
円周 :地球を円に見立てて円周を計算
角度 :影ができる角度を使った測定
※距離の単位:古代ギリシャの“スタディア”を使った見積もり
何気なく習う公式や図形の知識が、「地球の謎を解き明かす」ために使われていたと知ると、数学の見え方が変わってきませんか?
まとめ
・地球が丸いことを最初に数学で証明しようとしたのは、古代ギリシャのエラトステネス
・夏至の日の影の角度(7.2度)と2都市間の距離を使い、地球の円周=約40,000kmを導いた
・当時の測定で出した数値は、現代と比べても驚くほど正確
・学校で学ぶ角度・比例・円周は、実は“地球スケール”の探求にも使える!
「地球が丸い」なんて当たり前、と思っていた人も、
それを“たった1本の棒と太陽の影”で証明しようとした人がいたことを知ると、
数学って、思ってたよりドラマチックだな…と感じません?
福長塾では、テストや受験のためだけでなく、
「学ぶって面白い!」と思える視点や知識も大切にしています。
そして、私自身がこういう雑学とかが好きなので今後も紹介していきたいと思います。
次回の雑学コラムもお楽しみに!